概要
展示
椅子×田中邸
椅子課題—藝大建築科、最初の課題。
建築の最小単位ともされる椅子をつくることは、実用的でありつつ鑑賞対象でもあるという建築のもつ
二面性を、家具という小さなスケールで考えることであった。
旧平櫛田中邸アトリエは、膨刻家・平櫛田中のアトリエとして1919年に建てられ、後に住居部分が増築された。それから100余年、本来の“住宅兼アトリエ”としては使われなくなったが、毎月第四日曜日の「田中邸を味わう日」をはじめアーティストたちが集いお茶を交わすような場所となり、「田中さんの家」として創造と交流の場の実現を目指し維持され続けている。
今回の「椅子展」では、本来生活空間のなかに据えられる椅子たちが、田中邸という「元 生活空間」の中に置かれる。居住空間であった展示室はそれぞれ生活の様を呈しつつ、そこに「展示物」として置かれた椅子たちが単なる家具としての見え方とは異なる様子で佇む。
居住空間での椅子のふるまいと住宅としての田中邸が生み出す空間体験、そして鑑賞物としての椅子と展示空間としての田中邸とが呼応してつくり出される情景。椅子と田中邸がそれぞれに持つ二面性を掛け合わせ、新しい「椅子展」を構成することを試みた。
「すわる、田中邸」をご堪能あれ。
出展者
岡崎万実子 奥田梨乃 奥野玄太 佐藤拓実 竹内佑有 中嶋諒 中田耀満
平山莉名 普川陽菜 古山玄 南中道優地 三好駿平 森悠夏 渡辺恵河 村山美羽
主催
東京藝術大学美術学部建築科一年
協力
岡山県井原市、上野桜木旧平櫛田中邸、NPO法人たいとう歴史都市研究会、一般社団法人谷中のおかって